日蓮宗の葬儀
カテゴリ:宗派の解説と葬儀の違い
更新日時:2021年06月09日 18:38
日蓮聖人が開いた日蓮宗は、南無妙法蓮華経を唱えることでも知られています。日蓮宗の葬儀においては、このお題目が唱えられる場面が頻繁に見られます。
葬儀の特徴
日蓮聖人は、日蓮宗の根幹を成す経典「法華経」の功徳が含まれているとされる南無妙法蓮華経を唱えることが、信仰を深めるために重要だと教えています。南無妙法蓮華経を唱える修行を繰り返しおこなうことで、信心深さを得て、亡くなったあと、釈迦牟尼物(しゃかむにぶつ)に霊山浄土(りょうぜんじょうど)に出会い、成仏できる。これが日蓮聖人の教えです。
日蓮宗の葬儀においてこのお題目を唱えることは、故人の霊山浄土への旅立ちをサポートすることになるため、これも修行となると考えられています。
葬儀の流れ
日蓮宗の葬儀は、通常は故人が亡くなられた日の夜、もしくはその翌日の夜にお通夜を、その翌日に葬儀と告別式をおこないます。葬儀と告別式は、準備などの時間も含めて10時頃にスタートし、お昼頃を目安に2時間ほどで閉会するのが一般的です。
葬儀は開式のあと、僧侶の読経がおこなわれます。日蓮宗では、参列者も読経をおこない、南無妙法蓮華経を唱えます。読経の最中には、僧侶がお棺のふたを叩き、そのまま音を立ててお経を唱えるという「開棺」や、故人を仏様へと引き合わせるために仏具を振りながら唱える「引導」などの儀式がおこなわれます。
日蓮宗のお焼香
南無妙法蓮華経の唱題が始まると、参列者はお焼香へと移ります。日蓮宗のお焼香は3回が正式ですが、一般参列者は1回でも構いません。合掌して一礼、続いてお香をひとつまみしたのち、火種に振ります。
線香を立てる場合は1本か3本
線香を立てる場合は1本、もしくは3本立てるのがマナーです。
日蓮宗の香典について
香典は、今でこそ「お供えのための金品」とされていますが、「お供えのためのお花やお線香」が本来の意味です。日蓮宗では、不祝儀袋に記す表書きは、四十九日より前の法要であれば「御霊前」、もしくは「御香典」です。ほかの宗教の方や、無宗教の方は「御霊前」や「御香料」と記すとよいでしょう。四十九日以降は「御仏前」、もしくは「御香典」と記します。
香典の目安となる金額ですが、これは故人との関係などの要素も影響しますので、一概には言えません。あくまで目安ですが、
目上の親族:3~5万円ほど
年下の親族:10万円ほど
兄弟姉妹:5万円ほど
ビジネス:立場により5,000円~3万円ほど
友人知人:5,000円ほど
と考えておきましょう。