お清め塩について
カテゴリ:お葬式の知識・雑学
更新日時:2021年06月09日 18:32
葬儀に参列すると、お清め塩を手渡されます。このお清め塩は、帰宅時、家に入る前に、お清めのために体にふりかけるものです。ただ、宗教や宗派、地方により、お清め塩の使用については考え方が異なるケースもあります。
死は穢れた(けがれた)ものなのか
人は古くから死を穢れたものと考えてきました。その考え方が現代の葬儀の中にも残っていて、葬儀に参列すると穢れるので、身を清めないと日々の暮らしには戻れない…これが体を清めるお清め塩が存在する理由です。昔から人々は葬儀のあと、海でみそぎをするなどして穢れを清めてきました。
現在の葬儀、特に大都市周辺でおこなわれるお通夜や葬儀の際には、お礼状などとともにお清め塩の小袋が配られることが一般的です。特に規模の大きい葬儀の場合は、塩の敷かれたスペースが設けられ、参列者が帰る際に、塩を踏んで外へ出られるよう配慮されている場合もあります。
ただ、死を穢れたものとは考えない宗派もあります。一般的に、これまで親しく付き合ってきた人の死を穢れだと考えることはおかしいと思う人も多いはずです。実際、浄土真宗においては、葬儀の際のお清め塩の習慣については「迷信」としています。
お清め塩の使用方法
お清め塩は、帰宅の際、玄関に足を踏み入れる前に使います。小袋に入れられた塩をつまみ、胸、背中、足下の順番でかけて、そのあとに手で払いましょう。簡略化されたスタイルでは、足下のみにかけます。このスタイルは最近、増えているようです。
お清め塩を使用する際は、正式にはまず、手を洗うことから始めなければなりません。帰宅した際、葬儀に参列しなかった家人がいる場合は、ひしゃくと手桶を準備してもらいます。
手を洗ったら、玄関に足を踏み入れる前に、家人に先ほどの順番で塩をかけてもらいます。服に残った塩は手で軽く払ってください。
その後、足下に落ちた塩を踏み、家の中に入ります。
お清めの塩をかけ忘れた場合
お清めの塩をかけずに玄関をまたいでしまった場合でも、あわてる必要はありません。まだ喪服を着ている状態で気づいた場合は、一度外に出て、お清め塩をかけてからまた家の中に入ればよいでしょう。お清め塩をかけ忘れたからといって、神経質になることはありません。
そのほかのお清め
お通夜の際の通夜ぶるまいでは、食事やお酒が出されることがあります。これらはお清めのひとつであり、通夜ぶるまい自体をお清めと呼ぶこともあるほどです。