お通夜の過ごし方
カテゴリ:お葬式の知識・雑学
更新日時:2021年06月09日 18:43
お通夜は、故人とともにいる最後の時間です。ご家族と近しい方だけで集まります。以前はその名称のとおり、夜通し、故人に寄り添っていたのですが、現在は簡略化されて1~3時間程度の儀式としておこなわれるのが一般的です。
お通夜は近年、ご家族だけで執り行う「仮通夜」ののち、葬儀と告別式の前日に「本通夜」を執り行う形が増えているようです。これは、お通夜に訪問する客が多い都市部に多く、告別式同様の規模でおこなわれる場合もあります。以前のお通夜は、かんたんな飾りつけ程度でおこなわれていましたが、都市部でのお通夜では、祭壇も設けて飾りつけるのが一般的です。
お通夜は生から死への過渡期
お通夜は、「殯(もがり)」と呼ばれる葬送儀式の名残だと考えられています。殯では、身内が亡くなったあと、しばらくの間は生きているときと同じように故人を扱っていました。これは遺族の「死を信じたくない気持ち」を癒やし、家族の死を受け入れるために作られた一定の時間だといえます。
通夜ぶるまい
葬儀は地域性が強い行事ですから、通夜ぶるまいもやはり地域により異なります。通夜ぶるまいは、お通夜の弔問客に、足を運んでいただいた御礼の気持ちと、故人を供養する目的で料理や飲み物をふるまうものです。通常は、読経、焼香のあとにおこなわれます。
その昔の通夜ぶるまいでは、精進料理が出されていましたが、現在は弔問客がかんたんにつまめるような料理を出すのが一般的です。お酒を出す場合もありますが、食事券やかんたんなお菓子程度で済ませる地域もあります。キリスト教式のお通夜の場合は通常、通夜ぶるまいはありません。ただし、キリスト教式でも簡素な食事の場を設けることはあるようです。
通夜ぶるまいに参加する際は、何よりもまず、遺族の心情を思うことが重要です。お通夜は本来、遺族と近しい人だけのための時間なので、心労なども考慮し、なるべくご遺族の負担にならないよう行動しましょう。
お通夜は、故人との思い出やエピソードなどを語る場です。プライベートな話題や死因に関する話題は避けましょう。
また、通夜ぶるまいの場では、お酒が出されても、絶対にお酒に飲まれてはいけません。場の雰囲気を悪くすることは当然として、ご遺族に迷惑をかけることは大問題です。故人を偲び、ご遺族の気持ちに寄り添うことが、お通夜の参列者には求められます。ご遺族が故人との大切な時間をストレスなく過ごせるよう、配慮しましょう。