浄土真宗の葬儀

カテゴリ:宗派の解説と葬儀の違い

更新日時:2021年06月09日 18:43

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浄土真宗は、親鸞聖人により開かれた宗派です。その名称からもわかるとおり、親鸞聖人は浄土宗を開いた法然の弟子に当たります。現在の浄土真宗は分派しており、真宗本廟(東本願寺)を本山とする「真宗大谷派」と、本願寺(西本願寺)を本山とする「浄土真宗本願寺派」が中心となっています。

浄土真宗の経典は「浄土三部経」と呼ばれるもので「南無阿弥陀仏」を唱えますが、真宗大谷派では「なんまんだぶ」を低音の下げ調子に、浄土真宗本願寺派では「なんまんだーぶ」を高音の上り調子で唱えるのが特徴的です。

浄土真宗の考え方

浄土真宗の葬儀には、禅宗の宗派の葬儀に見られるような「引導」「授戒」といった儀式が存在しません。これは浄土真宗の考え方が、これら禅宗の宗派とはまったく異なるからです。浄土真宗では、葬儀を故人の供養のためにおこなっているわけではありません。浄土真宗では、死と時を同じくして阿弥陀如来が故人を極楽浄土へ迎えると考えています。そのため、故人の成仏を祈るという考え自体が存在しないのです。浄土真宗の葬儀は、故人が礼拝の対象になるのではなく、故人を迎えた阿弥陀如来を礼拝の対象とします。

浄土真宗では、この阿弥陀如来の力による即身成仏が前提となるので、故人の冥福を祈る必要がありません。ほかの宗派とはかなり異なる特徴をもつため、葬儀においてもあまりほかでは見られない作法が存在します。

浄土真宗の葬儀の流れ

葬儀の流れについて、真宗大谷派と浄土真宗本願寺派、分けてご紹介します。どちらの場合も、お通夜では故人を北枕で寝かせて体に白服・顔に白布をかけますが、故人はすでに極楽浄土に到達していると考えるため、ご遺体が死に装束をまとうことはありません。

真宗大谷派

真宗大谷派の葬儀は、「葬儀式第一」と「葬儀式第二」の二部構成になっています。葬儀式第一では、読経や焼香がおこなわれ、参列者も焼香します。

葬儀式第二は、本来は自宅でおこなわれていましたが、現在は葬儀会場や火葬場など、地域的な状況に合わせた形で式の内容を組むことが多いようです。

浄土真宗本願寺派

浄土真宗本願寺派の葬儀は二部構成ではありません。僧侶の読経と焼香に続いて、ご遺族、参列者の順で焼香をおこないます。

本願寺派は、葬儀につづいて出棺、火葬・拾骨という流れになります。浄土真宗では、故人はすでに仏様なので、多くの場合、すぐに「精進明け」の意味合いを持つ法要に移ります。

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